お酒のあるライフスタイル

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no.58 スコッチ2 アイランズ

 

 本日はスコッチウイスキーアイランズを紹介します。アイランズウイスキーの特徴としてはアイラに似た要素と次回触れるのですがハイランドの要素を足して2で割ったような程よいピーティーさと大自然に恵まれた熟成による複雑さです。

 

今日は代表的な2つのアイランズ①ハイランドパーク②タリスカーをご紹介します。

 

Highland Park

 

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Highland Park 12Y 

 

ハイランドパーク蒸留所といえば世界最北端のウイスキー蒸留所として有名。オークニー諸島の中心部カークウォールの町を見下ろす高台の丘、その地がハイパークやパークヒルと呼ばれていたことからハイランドパークと名付けられました。ハイランドパークは現在も製造に使う20%のモルトを自社製麦樹木の育たないオークニーでは、スコットランドのほかの地域とは異なったピートが採れ、特にハイランドパークでは3つの異なる層から手作業で切り出されたピートを使用。これによりモルト特有のフローラルなスモーキーさが加わる。ハイランドパークの仕込み水はカティーマギーの泉から引かれた硬水を使用。有名どころで他にはハイランド地方にあるグレンモーレンジ蒸留所が同じく硬水を使用。夏でも15度、冬でも零下にはならない涼しい環境でウイスキーは眠りつづけ、さらに湿潤な土地なので本土の乾燥した地域よりもエンジェル・シェア(熟成中に蒸発してウィスキーがなくなる分量)は少なくなる。スパニッシュオークとアメリカンオークのシェリカスク(樽)を使用。

 

 

Talisker

 

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Talisker 10Y 

 

ヒューとケネスのマカスキル兄弟がスカイ島で生産される大麦をより大きな価値を生み出すものにしようと、当時スコットランドで盛んに生産されるようになったウイスキーをスカイ島でも造る決断をし、ロッホ・ハーポートという汽水湖の沿岸に面したカーボストに蒸留所を構え、「タリスカー蒸留所」が誕生します。タリスカーの名は、兄弟が蒸留所建設中に滞在した「タリスカー・ハウス」にちなみ名付けられたといわれ、古代ノース語で“Thalas Gair(傾いた大岩)”という意味があります。発酵は昔ながらのオレゴンパイン(オレゴン松)製のウォッシュバック(発酵槽)、乳酸菌による乳酸発酵を促進。発酵時間も通常50時間程度のところをタリスカー蒸留所では70時間かけて発酵。これが、独特のフルーティーな香りと味わいを生み出します。初留釜で蒸溜された蒸気のうち、重いものはU字に曲がったライパイプの先に付いている精留器により、再び初留釜の中に還流(Reflux)されます。気化と液化を繰り返すことでよりクリアな初留液が生まれます。タリスカー独特のキャラクターはここから生まれると考えられています。蒸気を冷却する冷却器は昔ながらのワームタブを使用。

近くを流れるメキシコ湾流の影響で冬でもそれほど気温は下がらず、雪が積もることはまれです。一方、この影響で天候が非常に変わりやすく、別名「霧の島」と呼ばれるほど濃霧に覆われる日が多いのもスカイ島の特徴のひとつです。冬場は外海が荒れ、大波が沿岸の荒々しい岩肌に打ちつけます。この波のように力強い個性を持つタリスカーの味わいは、スカイ島の風土を色濃く表しています。ミストアイランドの呼び名の通り、スカイ島では頻繁に雨が降っているため、岩石質の地層が、この雨水を絶え間なく海に向かって流し続けます。また、スカイ島をはじめ、スコットランドの土壌は、ピート層と呼ばれる泥炭層が広がっており、特徴的なスモーキーな味わいは、このピート(泥炭)から生まれます。タリスカー独自の味わいを特徴づけているのは、まさにスカイ島の自然であるといえるでしょう。

 

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次回は「no.59 スコッチ3 ハイランド」です。お楽しみに^^

 

ハンター(Hunter)

Recipe

ウイスキー/チェリーブランデー