no.13 ビールのおいしさ1
世界で一番飲まれているお酒はもちろんビール、日本で一番飲まれているのもビール。
なぜこんなにもビールは世界で飲まれるのか?
他の酒類と比べてビールが圧倒的に持っているもの。それは「コクとキレ」。
「コク」とは濃い深みのある旨味です。例えばカレーを作る際長時間煮込むことによって、穏和な味わいの中に厚みや広がりを感じられるようになることがあるかと思います。こういう時、人々はコクがあっておいしいと表現します。コクがあって不味いとは言わないように、コク自体はおいしさと深い関わりがあります。
「キレ」とは香味の純粋さ、シャープさ、軽快さやスッキリ感を表し、飲み込んだ後の香味の持続性や消失の速さを示します。ビールを口に含んだ時に達する最大の香味や厚みからの落差がキレと感じやすいようです。
次は少し難しくなりますが理解できると、よりビール楽しめると思うので
「コクとキレ」を生み出す3つの要素
①ポリフェノール②イソアルファ酸③アルコールについて見ていきましょう。
ビールには麦芽由来のポリフェノールが沢山含まれています。ポリフェノールって何?聞いたことはあるけれど...という方も多いかもしれないので簡潔に説明をすると、味わいとしては渋みや口の中を整理するような締まりを感じさせ、役割については酸化や後退を攻撃するという優れものです。渋みや味の締まりは「コクとキレ」に大きな影響を与えます。
②イソアルファ酸
ホップ由来の苦みを与える酸です。他にもホップには苦みを与える成分が含有されていますが、代表としてはイソアルファ酸で大きな役割を担います。ここでポイントなのですが、なぜホップがビールと相性がいいかというと、他の一般的な苦みを生み出すもの比較してホップの苦みは飲んでから強く感じるまで15秒ほどのタイムラグがあり、ピークに達してからも消失するまでの時間が1/2なのです。つまり、舌や喉に苦みが残らないのでキレが良くビールにぴったりと言えます。
③アルコール
発酵によって生成されたアルコールは苦みや甘みを強く、酸味は弱く感じさせコクを強める役割があります。ノンアルコールビールがなぜか物足りなく感じるのは、このアルコールの役割が大きくかけているからかもしれないですね。
最後によくCMなどで使われる「のど越し」について見ていきます。
近年の研究で「喉には炭酸やビールによって刺激される神経があり、これらは口や舌にはなく、刺激せれると脳に信号が送られ爽快感や清涼感を与える」と結論付けられており、これが「のど越し」と呼ばれるものと大きく関係があると考えられています。
このビールの「のど越し」と「ドリンカビリティ(Drink ability:もう一杯飲みたくなる欲求の強さ)」の関係がビールのおいしさと深い関係があり、なぜかビールは飲めば飲むほど喉が渇きます。これには2つの理由が考えられ、一つ目の理由は「のど越し」による脳の欲求反応、もう一つの理由はビールの利尿作用にあると考えられます。排尿するとさらに水分を体内に蓄えることができますね。このダブルパンチによって、私たちは何杯もビールを楽しめるのですね。
本日も一読ありがとうございました。
次回は「no.14 ビールのおいしさ2」です。お楽しみに^^
グラスホッパー(Grasshopper)
Recipe
ホワイトカカオリキュール/グリーンペパーミントリキュール/生クリーム