お酒のあるライフスタイル

現役Bartenderがお酒のことについて発信します

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本日は代表的な麦焼酎についてご紹介します。

 

吉四六

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1866年(慶応2年)創業の老舗蔵元、二階堂酒造の作品。「きっちょむ」はとんち話が有名な大分県民なら誰もが知っている人物だとか。第一次焼酎ブームの火付け役となり全国に轟く銘柄です。厳選された大麦と地元大分の水、伝統、技をもって造られた「吉四六」は優雅で華やかな仕上がりのプレミアムな麦焼酎

 

百年の孤独

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幻の焼酎の魁。1985年(昭和60年)に発売された樫樽長期貯蔵の麦焼酎。商品名がブラジルの小説家ガルシア・マルケスの長編小説タイトルから付けられていることや、手作業で包まれる独特のクラフト紙の包装やコルク生地のラベルが、それまでの焼酎とは一線を画す斬新な特徴だったということを知っている焼酎好きは多いが、見えないような小さな文字で「音楽というものは、それを聴き終った瞬間から空(くう)に消えさってしまい、二度ととりもどすことは出来ない」という、アドリブを得意とするアメリカ人ジャズマン、エリック・アラン・ドルフィーの言葉が包装紙に記載されていることを知る人は少ない。この焼酎を幻にしたのは、このボトルにこの言葉を最初に発見したジャズ・フリークかもしれない。もとは山芋焼酎ブレンド用として樽にストックしていた麦焼酎。現社長黒木氏が、経営低迷期を奪回するためにこのスタイルで売り出し爆発的に売れた。淡い琥珀色。まるでウイスキーのような軽いスモーキーフレーヴァー。しかしウイスキーにはない麹を使った日本の本格焼酎らしい柔らかな旨味みたいなものが感じられる印象的な味わい。心地いい余韻。これらに魅せられる人は今も後を絶たない。プレミアム価格で売られている。減圧蒸留で造られる同社の麦焼酎「中々」も人気。

 

 

いいちこ

 

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昭和54年発売のロング&ベストセラー麦焼酎。なんといっても「下町のナポレオン」という名キャッチコピーと胸にじんと響くコマーシャルやポスターは、焼酎ファンならずとも、誰もが無意識のうちに脳裏に焼き付けている麦焼酎いいちこ」のイメージ。大分宇佐にある三和酒類(株)は、昭和33年創業の総合醸造企業。大麦と大麦麹と天然の水で仕込んだ本格焼酎は、臭みがなくすっきりと軽快でともかく飲みやすい。ロング&ベストセラーの理由はもちろんその味わいにもある。いつの時代も庶民の味方。料理を選ばないのもうれしい。

 

兼八

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香り、味わい、長く長く残る心地いい後味。兼八の代わりになる麦焼酎にはいまだ巡り会えない。紹介をするたびに「麦チョコ」といってしまうほど、チョコレートのようなビターで甘い風味と麦の香ばしさをこれほどバランスよく楽しませてくれる麦焼酎が他にあるだろうか。大分県宇佐市大正8年創業の伝統蔵。現在は4代目と5代目が造りに従事している。主要銘柄は「宇佐むぎ」だが、1998年からある「兼八」ブランドは、はだか麦とはだか麦の麹を使用したタイプで、今や全国区。プレミアム焼酎の仲間入りをしている。オンザロックでも独特の個性を失わず、焼酎通には感動を、初心者には驚きを与えてくれる。最近では、航空会社のファーストクラスは元より、ミシュラン三ツ星のフランス料理店などでも食後酒として提供されている。