お酒のあるライフスタイル

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本日は代表的な米焼酎をご紹介します。

 

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熊本県球磨地方は清流と良質の米と、いい酒が出来る条件の一つである寒暖の差に恵まれた本格米焼酎の里。世界の自由貿易を促進するWTO世界貿易機関)のTRIPS協定(知的所有権を守る協定)にて「地理的表示」を保護されている焼酎でもある。全国で手にすることが出来るこの「しろ」を造るのは高橋酒造。創業は明治33年。メインアイテムは、自家製培養酵母を使い、もろみを40度という低温で減圧蒸留し繊細な味わいに仕上げる「白岳」だが、「しろ」はより軽めの仕上がりにこだわった、いわゆる普及版。球磨焼酎の個性をより身近に、カジュアルに楽しむには最適の銘柄だろう。米焼酎は、癖がなくマイルドでスムーズという認識を確実に経験させてくれる米焼酎の入門編だ。すっきりタイプとはいえ、米ならではの甘い香りと柔らかな旨味も十分に楽しめる。

 

②鳥飼

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焼酎の概念を越えた焼酎。蜜の詰まったリンゴや熟した白桃、バナナやメロンのような華やかなフルーツの香りがかなり印象的。しかし、味わいはドライでシャープで切れがいい。まさに吟醸酒を焼酎にした味わい。もちろん、日本酒の残りで造っているわけではない。10年以上の試行錯誤によって生み出された製法で、清酒用の高級酒米山田錦」と「五百万石」を吟醸酒なみに磨き、吟醸麹(黄麹)と自家培養の吟醸酵母による丁寧な造りのあと、減圧蒸留を行う。創業は江戸期と古い鳥飼酒造場は、150ヘクタールの森に囲まれた蒸留所。まるでスコットランドのような環境で、吟醸の香り豊かな米焼酎を生み出している。1996年にはモンドセレクション特別金賞受賞。

 

③豊永蔵

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四方を囲む九州山地、急流球磨川の清流、肥沃な大地にたわわに実る米。この風土と土地の人々が、日本が世界に誇る伝統米焼酎を脈々と造り続けている。創業明治27年(1894年)の豊永酒造は、風土と人がいいワインを造るというワイン世界の概念「テロワール」を米焼酎にも取り入れる。自然の恵は自然のままに受け入れ酒造りに生かすという考え。1986年からオーガニック農法の米を使用し、無農薬・無化学肥料の農法を行っており、2001年オーガニック認証制度の開始とともに認証。月の満ち欠けや自然の変化とともに行う農法で、まさにビオ・ディナミ農法で原料造りをしている。また、すべて手造りゆえに、造り手の熟練の技と感性が必須。減圧蒸留で生まれる「豊永蔵」は、とにかく清らか。一口含めば身体の細胞に清水が染み込むよこの絶妙なバランスが人気の秘密だ。魚料理から鶏肉など、繊細な旨味のあるつまみと一緒に。

 

④宜有千萬

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新潟の銘酒「八海山」が造った米焼酎。宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)とは、限りなく多くの福が得られるようにと願う言葉。中国で古くから使われている吉語。日本酒「八海山」の醸造技術を取り入れ、清酒酵母黄麹を使用し「三段仕込」で、きめ細やかなモロミ管理を行いました。発酵途中に清酒粕を加えることでほのかに吟醸香を思わせる香りあるモロミから減圧蒸留した焼酎です。落ち着いた品格ある香りが特徴です。貯蔵年数2年以上。既存の米焼酎とは、一線を画す「清酒蔵」らしい品質を目指しました。やわらかでとても飲みやすい焼酎。