お酒のあるライフスタイル

現役Bartenderがお酒のことについて発信します

no.70 アイリッシュ/カナディアン

本日はウイスキーの最終回。

アイリッシュウイスキーとカナディアンウイスキーをみていきます。

では、まずアイリッシュウイスキーから。

 

アイリッシュウイスキーとはアイルランド北アイルランドで造られるウイスキー

定義は、穀物を原料としアイルランドで木樽を用い3年以上熟成が必要である事。また、単式蒸留で3回蒸留が一般的であり、未発芽の麦芽を使う事も多々あります。

 

Jameson

 

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Jameson

 

ジェイムソン・ウイスキーは、グレーンウイスキーシングルモルトウイスキーシングルポットウイスキーと呼ばれる大麦麦芽と発芽前の生のアイルランド産の大麦を混ぜた原料から造られるウイスキーブレンドウイスキーは、ラムについで世界でもっとも愛好されている蒸留酒だったこともあって、1805年にはジェイムソンは生産量世界一の地位を得ることとなった。現在、ジェイムソンは、単一の蒸留所で生産されたウイスキーとしては世界3位にランクイン。

 

 

次はカナディアンウイスキーです。

 

1668年にウイスキー輸入量の削減を目的として蒸留可能な醸造所が複数設立された。18世紀の後半になると、カナダでは穀物が過剰生産なってしまったため、多くの製粉所が蒸留酒の製造を開始し、生産されたウイスキーはアメリカに輸出されます。現在のカナディアンウイスキーの特徴は19世紀の終わり頃に確立したとされます。ライ麦主体のウイスキーから、トウモロコシ等も使用されるように変化していき、蒸留過程においても、連続式蒸留機が使われるようになっていきました。カナディアンウイスキーの主流はブレンデッドウイスキーライ麦を主な原料にして連続蒸留式にて蒸留されたフレーバリングウイスキーとトウモロコシを主な原料にして連続蒸留式にて蒸留されたベースウイスキーの二種類を、ブレンドし再貯蔵して最低でも合計3年間以上の熟成期間を経ます。大変個性的な香りのフレーバリングウイスキーは全体の5%程度が使用され、ライトな飲み口のベースウイスキーが大半をしめているため、飲みやすいのが特徴。

 

②Canadian Club

 

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Canadian Club

 

とうもろこし等を原料に連続蒸溜器で作るライトでマイルドな味わいの「ベースウイスキー」とライ麦・とうもろこし・ライ麦芽・モルトを原料に、連続蒸溜器で蒸溜した後、単式蒸溜器で作る「スタースペシャル」と呼ばれる複雑で濃厚な味わいのフレーバリングウイスキー、1塔式連続蒸溜器で作る「スター」と呼ばれるリッチで果実のような味わいのフレーバリングウイスキーというように複数の原酒のつくりわけを行っています。多くのブレンデッドウイスキーはある程度の期間熟成させた後の原酒同士をブレンドして作られますが、カナディアンクラブは蒸溜したてのニュースピリッツの段階でフレーバリングウイスキーとベースウイスキーブレンドするプレブレンディングを採用。シチューを作る時も、色々な野菜・肉類・素材を別々に煮込んで後で一緒にするよりはじめから一緒に煮込んだ方が味がなじんでまろやかになりますが、まさに同じ原理。プレ・ブレンディングを採用しているカナディアンウイスキーは、カナディアン・クラブのみカナディアンクラブはスタンダード製品でも、最低6年以上貯蔵されており、30年以上の熟成も可能な環境を有しています。だからこそ品質の良い長期熟成品を多く世に送り出す事が出来ているのです。カナディアンウイスキーの最低必要熟成年数は3年以上。

 

 

以上です。全20回にわたりウイスキーを見てきましたがいかがでしょう。ウイスキーはまさに「時の飲み物」時間と手間をかけた分美味しく味わい深いものになります。スコッチ、ジャパニーズ、アメリカン、アイリッシュ、カナディアンとウイスキーは多様です。ぜひ自分のお気に入りを探してみて下さい。

 

次回からはスピリッツについてみていきます。

「no.71 Spirits 定義と種類」です。お楽しみに^^

 

エル・プレジデンテ(El Presidente)

Recipe

ホワイトラム/ドライベルモット/レモンジュース/グレナデンシロップ