お酒のあるライフスタイル

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no.68 ジャパニーズ2

 

本日はジャパニーズウイスキーのパイオニアサントリー」が扱うウイスキーについてみていきます。世界的に見ても評価の高いサントリーウイスキー、外国人の人はよく「山崎」「響」はないのかと聞いてきます。

 

早速代表的な①山崎②白州③響をみていきます。

 

①山崎

 

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「日本人の手で、世界に誇る日本のウイスキーをつくりたい。」1923年、サントリーの創業者・鳥井信治郎はその大きな夢とともに、山崎蒸溜所の建設に着手。日本のウイスキーの歴史が歩み出した瞬間でした。どんどんと成功を収める中でも「スコッチとは異なる、日本のシングルモルトウイスキーはどうあるべきか」妥協することなく激論が続きます。苦悩と挑戦の果てに二人が辿り着いた答えは、「ひとつの個性が突出することなく、多彩な原酒が混ざり合い、高め合うような調和」でした。そして1984年3月14日、山紫水明の地、山崎の風土そのままに、穏やかで奥深く、しかし確固たる風味を持った、シングルモルトウイスキー「山崎」がついに誕生。「山崎」の、その筆文字は生みの親である鳥井信治郎次男・敬三によるもの。よく見ると、「崎」には「寿」の文字が隠されています。山崎は、万葉の歌にも詠まれた水生野(みなせの)と言われる名水の里です。茶人・千利休もこの地の水を愛し、秀吉のために茶室「待庵」を構えたほど。軟水の中でも硬度が高めの山崎の水は、複雑な香味や重厚なモルト原酒をつくるにはうってつけなのです。山崎蒸溜所には2種類の発酵槽があります。ひとつがすっきりした味わいを生むステンレス発酵槽。もうひとつは複雑で厚みのある味わいを生む木桶発酵槽。つくりたい味わいに応じて、発酵槽を使い分けています。バーボンの貯蔵に一度だけ使用された容積180ℓの樽「バーレル」。そのバーレルを容積230ℓに組みなおした「ホッグスヘッド」。大容量の北米産ホワイトオークの新樽「パンチョン」。スパニッシュオーク製の「シェリー樽」。さらに、山崎のキーモルトとして欠かせない「ミズナラ樽」。世界的に見てもとてもバリエーション豊かなこの五つの熟成樽で原酒を育てていきます。

 

②白州

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ちょうど50年を迎えた1973年、約82万平方メートルの豊かな森に、白州蒸溜所を設立。海抜約700mという高地に位置することも、広大な森の中にあることも、世界的に稀なモルトウイスキー蒸溜所の誕生です。以来、職人たちは日々ウイスキーづくりに打ち込み、ついに21年後の1994年、「シングルモルトウイスキー白州」は初めて市場に登場します。「自然と人間の共作」と言われるほど、ウイスキーは自然の力を借りて育ちます。白州のあの清々しい味わいは、いわば白州蒸溜所の森が与えてくれたものと言っても良いはずです。白州蒸溜所では、ウイスキーをつくることと森南アルプス花崗岩に磨かれた、ミネラルバランスのよい軟水が、香り立ちがよくスッキリとした味わいをつくってくれます。森の乳酸菌の働きを促すために、昔ながらの「木桶発酵」を少し長めに行うことが、爽やかなのに味わい深い風味をもたらします。貯蔵庫では、原酒が森の大気の中で呼吸を繰り返し、長い時間をかけて熟成していく中で、白州の特徴的な香りと味わいをまとっていきます。

 

③響

 

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信治郎の次男である佐治敬三が二代目マスターブレンダーを継ぎ、「響」を生み出したのは、1989年のこと。「響」には“人と自然と響きあう”という、サントリーの企業理念が込められました。ウイスキーづくりを通して、世界中の人々や、かけがえのない自然と共生していきたい。日本の豊かな自然が育んだ原酒をブレンドし、世界中の人々に喜ばれるウイスキーをつくることは、まさに、この理念を形にする試みでした。山崎と白州、知多が響きの原酒となっています。日本の豊かな自然と感性を映す「響」は、その装いにも日本らしさが満ちています。「響」が纏うのは、悠然と輝く24面カットのデキャンタボトル。1日を刻む24の時間や、季節の移ろいを記す24の節気を意味します。

 

 

次回は「no.69 ジャパニーズ3」です。お楽しみに^^

 

ブランデーエッグノッグ(Brandy Eggnog)

Recipe

ブランデー/ホワイトラム/シュガー/卵/ミルク