お酒のあるライフスタイル

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no.65 アメリカン2

本日は代表的なアメリカンウイスキーを三つ①メーカーズマーク②ジムビーム③ワイルドターキーを紹介します。

 

①Maker's Mark

 

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Maker's Mark

 

ゆたかな自然に囲まれたケンタッキーの蒸溜所で1本1本人の手で拘って作られたハンドクラフトウイスキー赤い封蝋はまさに「ハンドメイド」を象徴するもの。1本1本丁寧に蝋に浸されるので、一つとして同じものはありません。原材料である穀類を粉砕する手法としてはかなり古いと言われる旧式粉砕機を未だに使います。理由は原材料の焦げ付きを防ぎ小麦特有のふくよかな甘みを守るため。一般的にバーボンにはライ麦が使われますが、ふくらみのあるまろやかさを実現するために、メーカーズマークでは冬小麦を採用。その中でもSoft Red Winter Wheatというマイナー品種を用いています。麦芽は六条小麦を使い、コーンと小麦は蒸溜所の近郊にある契約農家の手によって石灰層の土壌で栽培される最高品質のものをセレクト。メーカーズマークの仕込水には、蒸溜所の敷地内に広がるスプリング・フェド湖の良質な湧き水を使用。石灰岩に磨かれて鉄分が取り除かれた、ライムストーンウォーター。

 

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②Jim Beams

 

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JIM BEAM

 

75年以上変わらない酵母が使用されている。酵母は非常に貴重であったためジム・ビーム本人が週末になると保管のために自宅に持ち帰った。ジャグ・イーストと呼ばれる。また蒸留はバーボンでは珍しい単式蒸留。ジムビームの癖のある味わいを作り出す。1つの樽には200リットル詰められ、風通しの良い丘の上に建つラックハウスに保管される。季節が変わるたびにケンタッキーの気候は樽材を伸縮させ、バーボンが樽に浸透しアリゲーターチャーとなったオークからのカラメル糖がバーボンに風味と色をつける。バーボン製造プロセス全体を通して、200リットル分のバーボンのかなりの部分が蒸発して樽から消えて無くなる。これを「ブッカーの取り分」と呼んでいる。通常ストレートバーボンになるのに2年必要とされているが、ジムビームになるには4年必要とされている。

 

 

③Wild Turkey

 

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Wild Turkey

 

オーナーのトーマス・マッカーシーはアメリカ原産の「七面鳥」のハンティングに行く際バーボンを持参。そのバーボンは好評を得、七面鳥狩りにちなみ、狩り仲間の1人がワイルドターキーと呼び始める。マッカーシーはそのユニークなニックネームが気に入り、後にブランド名へとなる。コーンはケンタッキー州インディアナ平野、大麦はモンタナ州ライ麦サウスダコタ州ノースダコタ州で収穫されたものだけを使用。ワイルドターキーの味わいは、ライムストーン・ウォーターと呼ばれる鉄分やミネラルを含まない水によって作られている。ケンタッキー州を中心としたこの地域の地盤は、石灰岩層(ライムストーン)で形成されていて、その天然のろ過層をくぐりぬけた水だけがウイスキーづくりに最も適したマザー・ウォーターとなる。ジムビームと同じくバーボンでは珍しい単式蒸留。ワイルドターキーでは、60年以上も受け継がれてきた自家製の酵母菌株を使っている。ワイルドターキーのバーボンは5年以上熟成させるのが基本。

 

次回は「no.66 アメリカン3」です。お楽しみに^^

 

 

B-52

Recipe

カルーア/ベイリーズ/グランマルニエ