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no.57 スコッチ1 アイラ

本日はスコッチウイスキーの初回、アイラモルトについて紹介します。

アイラモルトと言えばスコッチウイスキーの中でも特に個性的なウイスキーで、ピート(泥炭)香が特徴的です。今日はそのアイラウイスキーの3つの代表的なウイスキーラフロイグボウモアアードベッグをみていきます。

 

Laphroaig

 

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LAPHROAIG 10Y

 

ザ・スモーキー・アイラ。ラフロイグ蒸溜所はアイラ島の南部に位置する。「ラフロイグ」とは「広い入り江の美しい窪地」を言うゲール語だが、その風光明媚さはスコットランドの蒸溜所の中でも1、2を争う。仕込み水はピート層を浸透してきたもので、ラフロイグの香味特性であるスモーキーさを引き出している。ピートはアイラの湿原から採れたもの。大麦はオックスブリッジと言われる高級品種を用い、85%を麦芽製造委託、残り15%を自社製麦で構成している。熟成樽はバーボン樽のファーストフィル(一度だけバーボンを熟成するために使われたもの)のみを用い味わいに深みを与える。蒸留機はランタン型が4機とストレート型が3機でアイラの中で最小。

 

 

 

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LAPHROAIG SELECT

 

ペドロ・ヒメネスの熟成に使用したシェリー樽とヨーロピアンオークのシェリー樽、1st.フィル・バーボン樽で熟成した原酒をヴァッティング。さらにアメリカンオークの新樽で後熟している。フルーティーな甘美さが漂う。

 

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Bowmore

 

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BOWMORE 12Y

 

ボウモア」はゲール語。「大きな岩礁」のことを言う。創業が1779年というアイラ島最古の蒸溜所。麦芽は70%を麦芽製造会社に委託し、30%は自らが製造。いまだにフロアモルティングをおこない、麦芽乾燥にピートを焚く伝統的製法。発酵槽は木桶。ホワイトオークバーボン樽とスパニッシュオークのシェリー樽が7:3で使用されている。海抜0メートルにある、スコッチ最古の貯蔵庫No.1 Vaults(第一貯蔵庫/ヴォルトとは地下貯蔵庫)。さらには潮の香に抱かれた海のシングルモルトとしての唯一無二の特殊な環境下にある。原酒樽熟成に理想的な環境をおよそ240年にわたり保ちつづけている。深い熟成のために最適な湿潤さのなか、ほのかに漂う潮の香が熟成中の原酒と対話しながら香味要素の役割を担う。まさに海のシングルモルト

 

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Ardbeg

 

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 ARDBEG 10Y

 

アードベッグとはゲール語で「小さい岬」という意味。

アードベッグ蒸留所は、アイラ島南部の海沿い岩の多い小さな岬に1815年に設立。蒸留所は数奇な過去をたどり、80年代には閉鎖を余儀なくされたこともありました。1997年のグレンモーレンジィ社による買収により復活。オレゴン松製のウォッシュバックを使用し、それによりアードベッグ特有のロウのようなフレーバーとテクスチャーを形成。フェノール濃度55-60ppmで炊き込まれたアードベッグは、スコットランドで最もピーティーなシングルモルト。ランタンベッド型の再留釜にピューリファイア(精留器)を設置し、フルーティーでフローラルな甘さと複雑さを与えます。

 

 

全体的にアイラウイスキーは手間暇がかかるものが多く値が張ります。お得なものはARDBEGで手に入りやすく、飲みやすいものは個人的にはBOWMOREでアイラにしてはピート香が少なめで甘くなめらかです。

 

次回は「no.58 スコッチ2 アイランズ」です。お楽しみに^^

 

 

スコッチキルト(Scotch Kilt)

Recipe

スコッチウイスキー/ドランブイ/オレンジビターズ