no.51 ウイスキーの科学
本日から20回にわたり「ウイスキー」についてみていきます。
これまで扱った「ビール」と「ワイン」は醸造酒ですが、「ウイスキー」は蒸留酒になります。
ここで簡単に醸造酒と蒸留酒の違いをおさらいすると、醸造酒はアルコール発酵によって生まれたお酒のことを表し、代表的なものは主にアルコール度数は20%以下のものが多く、ビールやワインの他にも日本酒などがあげられます。蒸留酒は醸造酒を蒸留させたお酒の事で、水とアルコールの沸点の違いを利用してアルコール成分を収集し度数の高いお酒にします。代表的なものはウイスキー、焼酎、ブランデーなどがあげられます。他には4大スピリッツとよばれるジン、ウォッカ、ラム、テキーラも該当します。
そんなアルコール度数の強い「ウイスキー」ですが、世界各国でウイスキーの定義が異なります。今回は日本のウイスキーの定義を参照します。
① 発芽させた穀類及び水を原料として糖化させ、発酵させたアルコール含有物(醸造酒)を蒸留したもの
② 発芽させた穀類及び水によって穀類を糖化させ、発酵させたアルコール含有物を蒸留したもの
③ ①または②にあげる酒類に、アルコール、スピリッツ、香味料、色素、水を加えたもの
②に当てはまるのがグレーン・ウイスキーと呼ばれるもの。
①②をブレンドしたものがブレンデッド・ウイスキーと呼ばれるもの。
難しく考えずに以上の3種類のウイスキーがあると考えていただければいいと思います。また後の回で触れるのですが①モルト・ウイスキーと②グレーン・ウイスキーの原材料と蒸留方法の違いについて簡単にみてみます。
蒸留:ポットスチル(単式蒸留器)で2回蒸留
②グレーン・ウイスキー
原材料:トウモロコシか小麦、もしくはどちらも併用が主流
蒸留:連続式蒸留器で蒸留
原材料と蒸留方法が大きく違うという事だけ頭の片隅に入れておいて頂けると、これから先の記事がわかりやすいと思います。
ところで、ウイスキーの液体の色合いを想像してみて下さい。
キレイな琥珀色。あの色合いはどの段階で作られるかというと、これもまた後の回で詳しく触れますが「樽熟成」、樽の成分がウイスキー原酒に影響を与え神秘的な琥珀色になります。これがウイスキーがウイスキーたる所以です。見ているだけでうっとりしてしまいますね。
次回からより詳しくウイスキーを見ていきます。
次回は「no.52 ウイスキーの製造工程」です。お楽しみに^^
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