お酒のあるライフスタイル

現役Bartenderがお酒のことについて発信します

no.144 shochu 4

 

本日は代表的なイモ焼酎をご紹介します。

 

八千代伝

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昭和三年、初代八木栄吉創業の八千代伝酒造「八千代醸造元」。当時から人々に愛され続けた「八千代焼酎」は、遡ること数十年前、「八千代醸造元」休蔵に伴い、 やむなく生産中止となりました。 地元の古老は「うんめかったど~、あいがなかとよいもねちけん。」(美味しかった、あれが無いと夜も眠れない。)と 復興を望む声は強かった一方、なかなか実現までの道のりは遠く険しいものでした。しかし、時は満ち、 人里離れた猿ヶ城渓谷の大自然の中 、その名水を用いて「八千代」は「復刻 八千代伝」として 確かに伝承され、鮮烈によみがえりました。

 

②霧島

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大正5年、霧島酒造創業者・江夏吉助によって初蔵出しされた焼酎は「黒麹」仕込み。
霧島酒造の歴史は、黒麹の焼酎で幕を開けたのです。創業当時の黒麹仕込みの味わいを最新鋭の設備と当社独自の仕込みで再現した「黒霧島」。黒麹の醸すうまさはトロッとしたあまみ、キリッとした後切れにあります。霧島酒造の90余年の永きに渡る伝統と卓越した技術からこの美味しさはつくられているのです。霧島酒造は、宮崎県・都城市本格焼酎を造り続けています。本格焼酎黒霧島」の原料は、南九州の広大な芋畑で栽培したサツマイモ・黄金千貫。そして仕込み水や割り水に使っているのが、南九州・都城盆地の地下約100mにある巨大な水がめから湧き出る「霧島裂罅水」。適度にミネラルと炭酸ガスを含み、焼酎づくりの大敵である鉄分をほとんど含まず、酵母菌の発酵に最適な育成条件を備えています。本格焼酎黒霧島」は、この「霧島裂罅水」と「黄金千貫」というふたつの宝によって生まれました。

 

小鹿

 

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小鹿は、鹿児島県の規定する「ふるさと認証食品認証事業」において、鹿児島県産さつま芋を原料とした県産芋焼酎として認証されました。国見山系の清らかな名水と大隅(おおすみ)の豊かな自然の恵みをもとに丹精込めて造り上げた逸品。鹿児島焼酎小鹿は、大らかな鹿児島の自然の中で生まれた芋焼酎です。さつま芋の品質と鮮度にこだわり、平成6年に農業法人小鹿農業生産組合を設立し自社栽培を開始いたしました。鹿児島焼酎小鹿は、地元大隈地方で生産される新鮮なさつま芋を100%使っています。

no.143 shochu 3

 

本日は代表的な麦焼酎についてご紹介します。

 

吉四六

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1866年(慶応2年)創業の老舗蔵元、二階堂酒造の作品。「きっちょむ」はとんち話が有名な大分県民なら誰もが知っている人物だとか。第一次焼酎ブームの火付け役となり全国に轟く銘柄です。厳選された大麦と地元大分の水、伝統、技をもって造られた「吉四六」は優雅で華やかな仕上がりのプレミアムな麦焼酎

 

百年の孤独

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幻の焼酎の魁。1985年(昭和60年)に発売された樫樽長期貯蔵の麦焼酎。商品名がブラジルの小説家ガルシア・マルケスの長編小説タイトルから付けられていることや、手作業で包まれる独特のクラフト紙の包装やコルク生地のラベルが、それまでの焼酎とは一線を画す斬新な特徴だったということを知っている焼酎好きは多いが、見えないような小さな文字で「音楽というものは、それを聴き終った瞬間から空(くう)に消えさってしまい、二度ととりもどすことは出来ない」という、アドリブを得意とするアメリカ人ジャズマン、エリック・アラン・ドルフィーの言葉が包装紙に記載されていることを知る人は少ない。この焼酎を幻にしたのは、このボトルにこの言葉を最初に発見したジャズ・フリークかもしれない。もとは山芋焼酎ブレンド用として樽にストックしていた麦焼酎。現社長黒木氏が、経営低迷期を奪回するためにこのスタイルで売り出し爆発的に売れた。淡い琥珀色。まるでウイスキーのような軽いスモーキーフレーヴァー。しかしウイスキーにはない麹を使った日本の本格焼酎らしい柔らかな旨味みたいなものが感じられる印象的な味わい。心地いい余韻。これらに魅せられる人は今も後を絶たない。プレミアム価格で売られている。減圧蒸留で造られる同社の麦焼酎「中々」も人気。

 

 

いいちこ

 

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昭和54年発売のロング&ベストセラー麦焼酎。なんといっても「下町のナポレオン」という名キャッチコピーと胸にじんと響くコマーシャルやポスターは、焼酎ファンならずとも、誰もが無意識のうちに脳裏に焼き付けている麦焼酎いいちこ」のイメージ。大分宇佐にある三和酒類(株)は、昭和33年創業の総合醸造企業。大麦と大麦麹と天然の水で仕込んだ本格焼酎は、臭みがなくすっきりと軽快でともかく飲みやすい。ロング&ベストセラーの理由はもちろんその味わいにもある。いつの時代も庶民の味方。料理を選ばないのもうれしい。

 

兼八

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香り、味わい、長く長く残る心地いい後味。兼八の代わりになる麦焼酎にはいまだ巡り会えない。紹介をするたびに「麦チョコ」といってしまうほど、チョコレートのようなビターで甘い風味と麦の香ばしさをこれほどバランスよく楽しませてくれる麦焼酎が他にあるだろうか。大分県宇佐市大正8年創業の伝統蔵。現在は4代目と5代目が造りに従事している。主要銘柄は「宇佐むぎ」だが、1998年からある「兼八」ブランドは、はだか麦とはだか麦の麹を使用したタイプで、今や全国区。プレミアム焼酎の仲間入りをしている。オンザロックでも独特の個性を失わず、焼酎通には感動を、初心者には驚きを与えてくれる。最近では、航空会社のファーストクラスは元より、ミシュラン三ツ星のフランス料理店などでも食後酒として提供されている。

no.142 shochu 2

 

本日は代表的な米焼酎をご紹介します。

 

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熊本県球磨地方は清流と良質の米と、いい酒が出来る条件の一つである寒暖の差に恵まれた本格米焼酎の里。世界の自由貿易を促進するWTO世界貿易機関)のTRIPS協定(知的所有権を守る協定)にて「地理的表示」を保護されている焼酎でもある。全国で手にすることが出来るこの「しろ」を造るのは高橋酒造。創業は明治33年。メインアイテムは、自家製培養酵母を使い、もろみを40度という低温で減圧蒸留し繊細な味わいに仕上げる「白岳」だが、「しろ」はより軽めの仕上がりにこだわった、いわゆる普及版。球磨焼酎の個性をより身近に、カジュアルに楽しむには最適の銘柄だろう。米焼酎は、癖がなくマイルドでスムーズという認識を確実に経験させてくれる米焼酎の入門編だ。すっきりタイプとはいえ、米ならではの甘い香りと柔らかな旨味も十分に楽しめる。

 

②鳥飼

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焼酎の概念を越えた焼酎。蜜の詰まったリンゴや熟した白桃、バナナやメロンのような華やかなフルーツの香りがかなり印象的。しかし、味わいはドライでシャープで切れがいい。まさに吟醸酒を焼酎にした味わい。もちろん、日本酒の残りで造っているわけではない。10年以上の試行錯誤によって生み出された製法で、清酒用の高級酒米山田錦」と「五百万石」を吟醸酒なみに磨き、吟醸麹(黄麹)と自家培養の吟醸酵母による丁寧な造りのあと、減圧蒸留を行う。創業は江戸期と古い鳥飼酒造場は、150ヘクタールの森に囲まれた蒸留所。まるでスコットランドのような環境で、吟醸の香り豊かな米焼酎を生み出している。1996年にはモンドセレクション特別金賞受賞。

 

③豊永蔵

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四方を囲む九州山地、急流球磨川の清流、肥沃な大地にたわわに実る米。この風土と土地の人々が、日本が世界に誇る伝統米焼酎を脈々と造り続けている。創業明治27年(1894年)の豊永酒造は、風土と人がいいワインを造るというワイン世界の概念「テロワール」を米焼酎にも取り入れる。自然の恵は自然のままに受け入れ酒造りに生かすという考え。1986年からオーガニック農法の米を使用し、無農薬・無化学肥料の農法を行っており、2001年オーガニック認証制度の開始とともに認証。月の満ち欠けや自然の変化とともに行う農法で、まさにビオ・ディナミ農法で原料造りをしている。また、すべて手造りゆえに、造り手の熟練の技と感性が必須。減圧蒸留で生まれる「豊永蔵」は、とにかく清らか。一口含めば身体の細胞に清水が染み込むよこの絶妙なバランスが人気の秘密だ。魚料理から鶏肉など、繊細な旨味のあるつまみと一緒に。

 

④宜有千萬

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新潟の銘酒「八海山」が造った米焼酎。宜有千萬(よろしくせんまんあるべし)とは、限りなく多くの福が得られるようにと願う言葉。中国で古くから使われている吉語。日本酒「八海山」の醸造技術を取り入れ、清酒酵母黄麹を使用し「三段仕込」で、きめ細やかなモロミ管理を行いました。発酵途中に清酒粕を加えることでほのかに吟醸香を思わせる香りあるモロミから減圧蒸留した焼酎です。落ち着いた品格ある香りが特徴です。貯蔵年数2年以上。既存の米焼酎とは、一線を画す「清酒蔵」らしい品質を目指しました。やわらかでとても飲みやすい焼酎。

no.141 shochu 1

 

本日から10回にわたって「焼酎」についてご紹介します。

 

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焼酎の定義から見てみましょう。

「焼酎とはアルコール含有物を蒸留した日本の蒸留酒」で、連続式蒸留焼酎と単式蒸留焼酎の二つに分類されます。連続式蒸留焼酎はアルコール度数が36%未満のもので、ライトな風味が特徴。一方で、単式蒸留焼酎はアルコール度数が45%以下のもので本格焼酎と呼ばれ、癖のある味わいが特徴。

 

単式蒸留焼酎の分類についてみていきます。

よく焼酎を飲むときに「米」「麦」「芋」など種類がありますよね?これはもちろん原材料に何を使っているかを示しています。では泡盛は何を原料にしているのでしょう。

 

実は米焼酎と似ています。米焼酎が国産の破砕米を使うのに対して、泡盛タイ米の破砕米を原料としています。

 

ではどんな種類の焼酎があるか見ていきます。

①米

生産地は熊本の球磨・人吉地方が有名。全国の清酒の蔵元でも作られる。まろやかで香り高いのが特徴。

②芋

鹿児島と宮崎が主産地。原料のイモは黄金千貫というでんぷん質の多い川まで白い改良品種が主流。癖が比較的少なく飲みやすいのが特徴。

③麦

大分や長崎の壱岐の島が主産地。原料の麦は二条大麦やオーストラリア産のものが使われる。キレが良いのが特徴。

④黒糖

黒糖を溶かした二次もろみを使う。沖縄産のサトウキビが原料となることが多い。甘い香りと後味が切れの良いのが特徴。

⑤ソバ

宮崎が発祥。コクがあるものが多い。

 

no.140 Sake 10

 

本日は九州・沖縄エリアのご紹介です。

 

知恵美人

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大分国東半島の南端部に位置する杵築市にある蔵元。代々続く銘柄「智恵美人」は創業者の奥さまの名前とか。地元流通の甘めの酒から脱し、6代目・中野淳之さんが仕掛けるのはフルーティな吟醸香とまろやかな口当たりがある「ちえびじん」。酒名をひらがなにし、方向性を強く打ち出した。「ちえびじん 純米吟醸 山田錦 無濾過生原酒」はメロンのような爽やかな香りと、やさしい甘味、酸が綺麗で軽やか。

 

 

②花の香

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熊本の生む手造りの酒。今から遡ること600年。九条関白の子息、厳中和尚のお供をして、京都から肥後玉名郡内に下った神田家の先祖は、熊本の地に根を下ろしました。そして、1902年(明治35年)神田角次、茂作親子は妙見神社所有の新田を譲り受け、ここから湧き出る岩清水と、米で酒造りを始めます。酒蔵周辺の木々から梅の香りが蔵の中に漂うことから「花の香」と名づけました。

no.139 Sake 9

 

本日は四国エリアの日本酒をご紹介します。

 

①悦凱陣

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香川県琴平にある小さな酒蔵。この酒蔵のなかで、幕末の志士・高杉晋作桂小五郎が潜伏していたと伝わる。代々「凱陣」という酒を造り続け、今はほとんどが「悦凱陣」となっている。骨太で芳醇な旨みに満ち、毎年味わいが変化するのはもちろん、タンクごとに味が異なり、強烈な個性を放っている。出来たてを味わうのもよし、低温や常温で熟成させたりと、熟成の楽しさを実感できる酒でもある。人気が高い1本は「悦凱陣 純米酒 無濾過生 オオセト 26BY」。焼き魚など素材がしっかりした料理と合わせたい

 

③亀泉

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坂本龍馬も愛した土佐の地酒。亀泉の名は、干ばつでも枯れることがない湧水を仕込み水に使ったことから、万年の泉を意味する。高知県産の酒米である土佐錦・吟の夢・風鳴子などを積極的に用いている。「亀泉 純米吟醸原酒 高育63号」は風鳴子を55%まで磨きあげ、高知県工業技術センターで開発された最新の酵母で醸している。メロンやバナナを思わせるフルーティな香り、甘い香りに反する端麗辛口で、キレのよい味に仕上げている。冷やして、揚げ物に合わせると、喉ごしすっきり。

no.138 Sake 8

 

本日は中国エリアの日本酒をご紹介します。

 

①王祿

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無濾過、瓶貯蔵、低温熟成と、徹底した酒造りを行う6代目蔵元杜氏の石原丈径さん。「超王碌 純米」は旨みが強く、キレがいい。料理を選ばないが、重い肉料理にしても負けない味わいがある。中取り、直汲み、生詰など5種類の酒を醸す。また「王碌 純米大吟醸」は生で2年~5年の熟成を経た後に出荷。袋吊り漏斗取り原酒本生、袋吊り漏斗取りオリ、舟掛け原酒本生、舟掛けオリの4種。濃厚な旨みと芳醇な味わい。

 

②獺祭

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杜氏による酒づくりを廃止して、原料は山田錦のみ、造りは純米大吟醸のみと徹底された酒造りが行われており、10数年前に「獺祭」が誕生して以来、機械化できるところと、人の手でなければできないところを明確にする合理的な発想と先鋭的な醸造技術が注目され続け、高い品質と驚異的なコストパフォーマンスを両立させ続ける獺祭に喝采がおくられている。 海外展開にも積極的で台湾、アメリカ、フランス、イタリア、中東など世界中の飲食店に展開。同郷の安倍首相からプーチン大統領オバマ大統領に獺祭がプレゼントされるなど、名実ともに日本を代表する世界に愛される日本酒となった。 「獺祭 発泡にごり酒」は日本酒のスパークリングとして女性を中心に大人気。 「獺祭 磨き 二割三分」は綺麗な甘みと蜂蜜のような上品な味わいが特徴的。よく冷やして食前酒にしたり、河豚のような淡泊な魚や香り高い松茸、フルーツと合わせるのもおすすめ。